異業種、異職種へのキャリアチェンジを伴う転職を成功させるコツ

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転職は一般的にそれまでの経験を活かして行うことが多いのですが、経験の無い業種や職種に挑戦するために転職をするケースもたくさんあります。

このように異業種または異職種に転職したり、異業種かつ異職種への転職をしたりして、キャリアの内容を変えることは「キャリアチェンジ」と呼ばれています。

キャリアチェンジの一番のメリットは、新たな可能性を拡げることができ、モチベーションが上がることと言えます。

その一方で、経験・習得してきたスキルが次に活かされない可能性があること、一時的に収入が下がる可能性があることが主なデメリットとして考えられます。

転職の王道とも言える、「同業種・同職種への転職」は、企業の中途採用ニーズが高いのですが、キャリアチェンジを伴う転職は企業からのニーズが相対的に低く、難易度がやや高くなります。
 
それでも、より自分に合う仕事、やってみたい仕事にチャレンジしたいという方は、今回の記事は必見です。

異業種×同職種の転職

異業種への転職

今まで従事していた職種の経験を活かして、異なる業種で活躍することを目指した転職です。
過去の経験を活かしやすいという意味で、年収ダウンなどのリスクを抑えてキャリアチェンジしやすいパターンです。

わかりやすい例を挙げると、

例1.
【前職】 業種:ハウスメーカー 職種:営業職

【転職後】業種:生命保険会社  職種:営業職

例2.
【前職】 業種:機械専門商社  職種:経理

【転職後】業種:医薬品メーカー 職種:経理

例1の営業職なら取り扱うモノ・サービスが変わるので、商品知識は一から覚えなければなりません。
しかし営業職で最も重要な営業手腕は、今までの経験から培われてきたものを活かすことができます。

例2の経理のような管理部門の職種も、例1同様にこれまでの経験を活かしやすい職種です。

こういった事情から、同職種で異業種へ転職するのは、キャリアチェンジの転職の中でもかなり成功率の高い道と言えます。

企業側も、人材が過去の経験を活かして入社後に活躍する姿をイメージしやすいため、積極的に受け入れている状態にあります。

IT業界や人材サービス業、コンサルティング業は積極的に異業種出身者を受け入れる土壌があります。
 
特に営業職経験者にとっては、異業種出身がデメリットどころかメリットになるケースも多いです。

これらの業界は得意先として幅広い業界を相手にしており、それぞれ得意先の業界へ深く入り込んで業務を行うことが多いため、得意先業界の出身で営業スキルも備えている人材へのニーズが非常に高いのです。

営業職以外にも業種を問わず発揮できるスキルを持った方には、十分転職の可能性があります。
興味のある業種があれば、まずは業界研究から始めてみてはいかがでしょうか。

同業種×異職種の転職

今までと同じ業種で、異なる職種にキャリアチェンジする転職について解説します。
業種に特化した専門知識や人脈を活かして転職することが可能ですが、職種の実務経験が無いので、年収や役職が一時的に下がるリスクがあります。

例1.
【前職】 業種:医療機器メーカーA社 職種:開発職

【転職後】業種:医療機器メーカーB社 職種:営業職

例1では、医療機器の開発経験で得た専門知識を、顧客への商品説明に活かせるという強みにして、営業職への転職を果たしています。

職種が変わると仕事のやり方を一から覚える大変さはありますが、その業種の知識は豊富ですし、元の職種での経験が付加価値となって強みにできる点が大きな魅力です。

社内での可能性も模索しよう

職種を変えるキャリアチェンジには、一度キャリアがリセットされてしまうリスクがどうしてもつきまといます。
今いる企業の中で、職種を変えられる可能性があるのならば、その方が負うリスクは少なくて済みます。

また希望職種と全く同じとはいかなくても、それに近しい職種をまずは社内異動で経験してから、転職するという方法もあります。

ステップを経て徐々に希望する状態へ持っていくやり方も、遠回りのように見えて近道である場合もあります。
ぜひ焦らずに検討してみて下さいね。

異業種×異職種の転職

業種も職種も変わる転職の場合はやはり難易度としてはこれまで解説したものに比べて高めになります。
次の3パターンに分けて解説します。

  1. 全くの畑違いでゼロから再スタートするパターン
  2. 資格を活かすパターン
  3. これまでの経験を活かすパターン

全くの畑違いでゼロから再スタートするパターン

社会人としての基本的な経験は活きてくるのですが、業務を遂行する上での実践経験はほぼ無い状態での転職となります。
できればポテンシャル採用が通用する20代のうちに行いたいところです。

一般事務職からネイリスト、営業職からSEなど、実務経験ゼロからのスタートになるので、相当な覚悟が必要ですが、やってみたいと思うことに取り組むのは楽しいことでもありますよね。

事務系の職種で未経験から挑戦してみたいというケースでは、人材派遣会社の「紹介予定派遣」もオススメです。

研修を受けながら実際に職場で6カ月派遣社員として働いた後、労使共に同意の上で派遣先企業で正社員として働き続けることができるシステムです。

資格を活かすパターン

資格を活かす
弁護士や弁理士、会計士や税理士、医師や薬剤師や看護師、など資格を持っている人は、他の業界や職種に転職する時にその資格と経験がとても役に立ちます。

どんな企業でも法律や税務に詳しい人は管理部門などで重宝されますし、医療関連の医薬品や医療機器などのメーカーでの仕事に役立ちます。
転職事例としては次のような例が考えられます。

法律事務所の弁護士 → 大手商社の企業法務

総合病院での臨床看護師 → 治験コーディネーター、

資格取得者に特化した転職支援を行っている転職エージェントには、こういった求人が集まっています。
 
転職を検討している場合は利用すると良いと思います。

エージェントによって専門領域が異なるので、ホームページの紹介実績などのコンテンツを確認して、ご自身に合いそうなエージェントに登録してみて下さい。

これまでの経験を活かすパターン

異業種×異職種にキャリアチェンジする場合でも、過去の経験を発展的に活かすことも可能です。

例えば、次のようなケースが考えられます。

【前職】 業種:システム開発会社 職種:プロジェクトマネージャー

【転職後】業種:人材紹介会社 職種:IT業界専任のキャリアアドバイザー

このケースでは、システム開発に関するスキルや知識、得意先や協力会社との折衝経験などといった全ての経験を活かして、IT業界の転職支援やキャリアカウンセリングを行うことが可能ですね。

他にもSEやPG出身者は、IT業界で培ったスキルを活かして、企業のシステム部門で社内SEとして働くことも可能です。

事務系職種から営業職に転向したこんな事例もあります。

【前職】 業種:飲食サービス企業 職種:人事(採用業務担当)
 ↓
【転職後】業種:インターネット求人媒体運営会社 職種:求人広告営業職

採用業務の当事者経験があれば、求人企業側に深く入り込んで求人広告企画を提案できるはずです。
このように一見畑違いに見えるようで、実は前職のキャリアが活かされるケースも多々あります。

その道のスペシャリストとして活躍した経験や仕事の実績があれば、コンサルティングファームに転職するのも一つの手です。

実際に現場で活躍していた人ならば、仕事の効率化やシステム化を図るノウハウを持っています。
そのためコンサルタント会社では、その道のプロフェッショナルを常に必要としているのです。

面接での心構え

面接の心構え

キャリアチェンジ転職が難しいのは、企業側に雇用するリスクを感じさせるためです。
企業としては、経験者を採用する方が安心で教育コストも少なくて済みます。

業種や職種の未経験者は、それでも雇うメリットの方が大きいと、企業に納得をさせなければなりません。

「あなたがキャリアチェンジを選んだ理由は何ですか?」

あえて異業種や異職種を選択する動機(=理由)は面接の場で必ず聞かれる内容で、ここが勝負ポイントです。

これまでの経験を活かしてどのように貢献できるかを自分の言葉で説明できるか否かがキーとなります。
具体的にはまず、次の4点を準備段階で徹底的に行うことです。

  1. 自身のコアになるキャリアの強みを把握する
  2. 業種、職種の研究をする
  3. 企業研究をする
  4. 自身のキャリアと志望するポジションの「接点」を見つける

それから志望動機を書き出してみると、説得力のあるものになるはずです。
身近な人に聞いてもらい、客観的な意見をもらうと尚可です。

キャリアチェンジに成功したA子さん

私が転職支援をしたA子さんの成功事例をご紹介します。
彼女の例は、志望動機を考える際の参考になると思います。

キャリアチェンジ転職成功事例
A子さんは2人のお子さんを育てながら中規模の食品専門商社で事務職に従事しており、下のお子さんの就学を機に、転職を検討して私のいる転職エージェントへ相談に来られました。

A子さんは特に活かせるスキルも資格も持っていませんでしたが、子ども用品を扱うメーカーに転職することを希望していました。
志望理由を尋ねると、彼女はこう言いました。

「子ども服や子ども用の商品は世の中にあふれているけれど、母親の目線で作られた商品が少ないのです。育児経験だけでなく、仕事と育児を両立させてきた経験も活かしてもっと役に立つ商品を作りたいと考えました。」

更にA子さんには具体的な商品のアイデアも既にたくさんもっていて、熱心にそれを私に話してくれました。

また経験の無さを少しでも埋めるために、マーケティングや商品開発に関する書籍を読んで日々勉強もしていたのです。

私は彼女の志望動機と熱意に心を打たれ、この方なら企業にきっと採用されるはずだと思いました。
求人を検索してみると、母親目線で商品開発をしてくれる人材を求めている企業が意外とたくさんあるのです。

そしてA子さんはその中の企業に正社員として採用されることが決まりました。

事務職から子供用品メーカーの商品開発という全くの畑違いの転職でしたが、企業側を納得させることができる理由と熱意があったため、成功した例と言えます。

熱意を感じさせるということはとても大事です。

ブラック企業に要注意!

ブラック企業に注意

年功序列・終身雇用が未だに根強い日本企業は、全くの未経験者ならば中途採用よりも、新卒採用を優先するという企業が多いです。

裏を返せば、新卒の採用が難航している企業・業界が全くの未経験者の転職者を受け入れているというケースが大半とも言えるのです。

飲食サービス、介護などの福祉サービス、下請けがメインであるシステム開発会社、など恒常的に人材不足に悩まされている業種では、年齢問わず未経験での転職希望者を受け入れているケースもみられます。

全ての企業が該当するとは言えませんが、中にはブラック企業と呼ばれるような企業も混ざっている可能性があるので、内情を調べてから応募するように気を付けて下さいね。

入社後に注意したいこと

入社後の注意すること
会社には独自の文化があります。
同業種でも会社が異なれば社風の違いは大きいので、異業種となればこれまでの常識が通用しないこともしばしばあると思っておきましょう。

企業文化の違いに関してよく耳にするのが、営業部における朝礼の存在です。

朝の貴重な時間は営業活動に充てる企業もあれば、朝は前日の営業報告に費やすという企業もあり、企業文化の違いの一端を垣間見ることができます。

なぜそういうスタイルになっているのか、その理由をまずは理解し、転職先の企業文化への戸惑いが業務に響かないよう注意してください。

また経営層として社内改革を求められヘッドハントされたならまだしも、現場レベルで転職した場合は「前職ではこうだったからここでもこうすべき」という持論を持ち込むことは敬遠されます。

特にキャリアチェンジでの転職の場合、転職者自身は社会人経験者としてのプライドもあるものの、転職先の従業員から見れば未経験の若輩者として見られているケースが多くあります。

周囲との調和を重んじる日本企業であればなおさら、中途入社をした社員としてまずは組織になじむことから始めるのが無難です。

最後に

身も蓋も無い言い方になりますが、キャリアチェンジの転職はできれば若いうちが良いということを最後にお伝えしたいと思います。

キャリアチェンジが大変な理由には主に次の3点が挙げられます。

  • 知識やスキルを一から習得しなければならないこと
  • 環境の変化に適応しなければならないこと
  • 企業側の求人ニーズが高くはないこと

新たな知識やスキルの吸収力や、環境の変化に適応する力は、年齢を重ねるごとに落ちていくと言われています。

また30代特に30代後半を越えると、未経験での採用率ががくっと落ちます。
30代後半を対象とした中途採用の多くは、リーダーやマネージャーの採用であるためです。

キャリアチェンジの転職になるべくリスクを抑えて挑戦したいなら、遅くとも30代前半までには決断しましょう。

年齢に関係なく活かせる技能や知識がある場合は別ですが、そのような資格や技術が無く、年齢も重ねてしまっているケースではキャリアチェンジの転職を決断する前によく考える必要があります。

これまでの経験が思ってもみなかったかたちで活かせることもあります。
まずは自己分析や業界研究・職種研究をしっかり重ねてから検討してみてくださいね。

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