退職手続きの流れ&退職願の書き方

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退職手続きと退職願

転職活動で見事に内定を勝ち取った方は、新天地への期待に胸を膨らませ、つい浮足立ってしまうことがありますね。

しかし油断はご法度。
退職に伴う各種手続きや業務の引き継ぎなどで、思わぬトラブルを引き起こすことがあるためです。

この記事では円満退職の段取りや退職手続き、業務引き継ぎを、関連するマナーと共に解説します。
 
書き方に迷いやすい「退職願」(封筒を含む)の書き方もわかりやすい図と共に詳しく説明するので参考にしてくださいね。

内定が出ても気を抜かない!円満退職までの流れ

退職手続きの流れ

スムーズに退職をするためには、大まかには以下の流れで進めていきます。

  1. 退職の意思を伝える
  2. 退職日を設定し退職願を提出する
  3. 退職手続きを進める
  4. 業務の引き継ぎをする
  5. 退職日を迎える

1.退職の意思を伝える

一般に、転職希望者は今の会社には黙って転職活動を行います。

必ず内定(採用)通知書を取得し、自身の入社の意思を固めてから、今の会社に退職の意思を伝えるようにします。

間違いが起きてから泣き寝入りということにならないよう、念には念を入れて、内定通知は書面で受け取っておくことを徹底すると安心です。

多くの退職者は退職を希望する日の1~2カ月前に、上司へ退職の意思を伝えますが、就業規則など社内のルールを必ず確認して、職場への負担が最小限となるタイミングで伝えるように心がけましょう。

退職の意思を伝える際は、まずは直属の上司に口頭で伝えます。
先に同僚にうっかり話してしまうといったことは、マナー違反です。

退職の意思が、間接的に直属の上司の耳に入ってしまうようなことがあれば、上司のプライドを傷つけ心証を悪くしてしまい、無用なトラブルにつながることもあるためです。

2.退職日を設定し退職願を提出する

退職願を提出

退職日は一人で決めず、上司とよく話し合って決めるようにします。

残っている有給休暇を連続して使い、リフレッシュしたいと思う方も多いので、先に有給休暇の残日数を調べておいて下さい。

しかし何より優先すべきは、業務の引き継ぎや退職手続きを完遂することです。これらに要する日数をしっかり想定しながら、無理の無いスケジュールを組んで、退職日を設定してみて下さい。

退職が正式に認められたら、退職日の2週間前までに退職願を提出します。

退職願と、封筒の記入の方法は後半で詳しく解説します!

退職願を無事提出したら、転職先への入社日の調整を行い、企業に受け入れ準備をしてもらうためにも、退職に関する状況報告を転職先企業にも行うようにします。

転職エージェントを介して活動していた場合は、企業ではなく担当のキャリアアドバイザーへ連絡します。

3.退職手続きを進める

会社の人事は、退職願を受け取ったら退職関連の労務処理を開始します。健康保険の手続きや退職金支給準備など、その内容は非常に複雑かつ多岐にわたります。

これらの中には、関係機関へ書類を提出する際に、退職者の署名が必要なものもあります。退職者は内容をしっかりと読み、署名するようにして下さい。

会社員の場合、健康保険や厚生年金は、会社が窓口となって加入し手続きしています。今の会社で退職における資格喪失手続きを行わないと、転職先で加入手続きができないので注意が必要です。

転職先であなたの保険手続きが正常に行えなければ、原因が追究され、あなたの手続きに関する不備が明るみに出てしまいます。

転職早々に信頼を損なうようなことにならないよう、公的手続きに関しての概要は必ずチェックしましょう。

公的なもの以外にも、会社によっては財形貯蓄や社内融資、確定拠出年金など、福利厚生の内容に応じた手続きが発生しますので、就業規定をよく読み対応します。

4.業務の引き継ぎをする

次に、現在従事している業務やプロジェクトについて、上司が後任者を決定し、業務を引き継ぐことになります。
スムーズな引き継ぎのためには、次の2点をきっちり行います。

  1. スケジュール作成
  2. マニュアル作成(仕事内容の文書化)

退職日までの限られた期間で、引き継ぎを完了させるためのスケジュールを組みます。後任者と相談しながら、計画的かつ余裕をもたせたスケジュールにするよう努めます。

職種によっては、後任者や上司を伴って取引先へ挨拶訪問することもあるので、関係者とのスケジュール調整にも注意します。

仕事内容を文書化することも必要です。以下のような流れで行うとスムーズです。

  1. 仕事の内容を、分類してリスト化する
  2. リスト化した仕事にそれぞれ手順、注意事項を記載する
  3. 関連資料の保管場所を記載する
  4. 取引先に関する情報をリスト化する(契約内容、担当者情報など)

余裕があれば、作成した文書を印刷して後任者へ渡しておくと、実際の引き継ぎの際に、口頭で補足説明をした点を書き込んでもらうように促すことができます。

引き継ぎ期間中は、当初計画したスケジュールと、実際の進捗状況を照らし合わせたチェックを頻繁に行うことが重要です。
 
後任者の理解度に合わせて、スケジュールを修正しつつ進めていきます。
 
退職後も、後任者が滞りなく仕事を進められる状況を作るのも、社会人として当然のマナーです。

5.退職日を迎える

退職日を迎える

退職日当日に慌てることの無いように、退職日までに以下のことを進めておきます。

  • 会社で貸与されているパソコン内のデータを整理する
  • 自分宛に届く郵便物に関して、宛先を後任者などに変更する
  • (必要がある場合)あいさつ状を準備して送付する

そして退職日当日には、会社に返却するものや受け取るものが多数あります。あらかじめリスト化しておくと、抜け漏れを防ぐことができます。

【会社に返却するもの】
社員証・健康保険証・制服・名刺・通勤定期券・備品など。

【会社から受け取るもの】
源泉徴収票、年金手帳、雇用保険被保険者証、離職票など。
離職票については、退職日には発行が間に合わないため、後日会社から郵送してもらうようにします。

立つ鳥後を濁さず、という言葉があるように、デスク周りをきれいにしておくことも当然のマナーですね。

職場によっては退職日に退職者へ花束などを用意する慣習があるところもあります。
社内の慣習に合わせて、職場の方々へのお礼の準備をしておくと安心です。

徹底解説!退職願・封筒の書き方

退職願と、退職願を入れる封筒の形式や書き方について、詳しく解説します。

退職願と封筒の形式

退職願は一般的に以下のような形式で作成されています。

  • 便箋に黒のペンで手書きする
  • 用紙は白いシンプルなものを使用する
  • 縦書き
  • 罫線は無くても良いがあった方が書きやすい
  • 用紙のサイズはA4またはB5
  • 白い二重封筒を使用する(郵便番号の枠が無いもの)
  • 用紙がA4の場合は長形3号、B5の場合は長形4号の封筒を使用する
  • 三つ折りにして封入する
  • のりシール付のものを使用して封をするのが無難

退職願と封筒の記入例

では退職願と封筒の記入について、例を挙げながら解説します。

【1】退職願の書き方

退職願の書き方

まずは退職願の図に示した1~6の注意点について解説します。

  1. 1行目の中央位置に「退職願」と書きます。
  2. 2行目の最下部に「私事、」または「私儀、」と書きます。句読点の「、」を必ず入れることを忘れないように注意します。
  3. いかなる退職理由の場合でも、この文言を使用します。上司と相談して設定した退職日を書きます。
  4. 退職願を届け出る日の日付を書きます。退職願を書いた日ではありません。
  5. 所属部署名と氏名を書き、忘れずに押印します。認印か三文判を使用します。
  6. 退職する会社の正式名称と、代表者氏名を役職と共に書きます。社名は(株)など省略しないよう注意します。代表者氏名の位置が、自分の氏名よりも高い位置に来るように書きます。敬称は殿を使います。

【2】封筒の書き方

退職願の封筒

次に封筒の図に示した1~3の注意点について解説します。

  1. 表面には、中央のやや上寄りの位置に退職願と書きます。退職願は手渡しが基本ですので、封筒への宛先記入は必要ありません。
  2. 裏面には、左下に所属部署名と氏名を書きます。
  3. のりシールで封をした後に、「〆」を書きます。

誤字や脱字の無いように、注意して作成して下さいね。

要注意!転職時のタブーとは?

転職のタブー

「転職先で一日も早く実績を出して認められたい!」と願うあまり、タブーを犯してしまいトラブルに発展するケースがあります。

営業職の方がやりがちなのが、現在保有している顧客情報を転職先に持ちだし、営業リストにする、といった行為です。取引先と交換した名刺をそのまま転職先へ持ち出すケースもあります。

これらの行為は、厳密に言えば不正競争防止法に抵触する恐れがあります。

一般的に、前の勤務先における業務に関連して入手した取引先会社名や住所、連絡先電話番号などの顧客情報は、不正競争防止法に定義されている「営業秘密」に該当します。

不正競争防止法は、不正の利益を得る目的や営業秘密の保有者に損害を加える目的で、営業秘密を使用したり開示したりする行為を不正競争の1つとして定義しており、例えば新しい転職先で前の勤務先の営業秘密を利用すれば、不正競争防止法違反になる可能性があるのです。

つまり前の勤務先の営業秘密を利用して営業行為を行うことは、不正競争防止法に抵触する危険をはらんでいるのです。

また、退職の際、機密保持契約や競業禁止規定に署名を求められることがあります。ざっくりと言うと、「うちの会社で知り得た情報を他社に漏らしたりうちのライバル会社に転職したりしたら訴える」という内容です。

これも、不正禁止防止法という後ろ盾があるからできる規定であり、署名した場合は規定を遵守する必要があります。

もしこれらに違反した場合、そして違反が発覚した場合には、本人だけでなく転職先の会社までもが訴訟の対象となります。十分に注意が必要です。

内定後もあと一息の努力を

転職活動は大変なことだからこそ、内定が出たらつい気が緩んでしまうのも無理はありません。

しかしこれまでお世話になった会社や同僚、取引先や顧客への感謝の気持ちを胸に、もう一息がんばりましょう!

誠実に業務を完遂した退職者であれば、今の会社の上司や同僚、取引先からも、長きにわたって、応援してもらえることも多々あります。
 
円満に退職を迎え、転職先で良いスタートを切れるよう応援しています。
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