東京と地方、転職市場の実態とは?

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東京と地方の転職市場の実態

転職市場において、東京は絶対的優位であると言われています。

求人数や待遇、仕事の種類の多さ、人脈の豊富さ、Face to Faceでのコミュニケーションの取りやすさなど、東京でビジネス生活を行うメリットを挙げればキリがありません。

国内有名企業の本社も東京本社が圧倒的多数であり、日本の経済は東京を中心に回っていることは誰の目にも明らかです。

大学への進学を機に上京する方も多く、そのほとんどがそのまま東京で就職をします。
当然地方の大学を卒業後に就職で上京する人も毎年かなりの数にのぼります。

転職を機に地元へのUターンを考える人もいますが、地方の仕事環境を憂慮し、二の足を踏む人も多いと聞きます。

「地方には仕事がない」とよく言われているけど、実際はどうなのかな?

実際の転職市場では、東京と地方ではどのような違いがあるのかをご紹介します。
 
誤解されがちな地方の転職事情について、ぜひ正しく認識していただきたいですね。

今回の記事では、東京と地方の求人事情や仕事環境等を比較しながら、転職市場の実態を解説します。

求人数を東京と地方とで比較してみよう

まず東京勤務と地方勤務で、求人数の違いを見てみましょう。

一般的に、求人数が多ければそれだけ選択肢が多いということであり、転職活動も楽に進めることができると思われます。
従って、件数が多い=転職が楽と仮定しましょう。

果たして転職活動が楽なのは東京と地方、どちらでしょうか?

大手転職サイトを使って求人数を比較

大手転職サイトを使って求人案件数の比較を独自に行ってみました。
以下の条件で件数を算出しています。

【検索条件】
転職サイト:リクナビNEXT en転職 マイナビ転職の3サイト
職 種  :営業職 ITエンジニア 建築・土木技術者 人事の4職種
地 域  :東京 北海道 秋田 長野 静岡 愛知 大阪 高知 福岡 鹿児島の各都道府県

エリア別求人数一覧

エリア別転職案件数
<2016年7月調べ>

3つの転職サイトの全てで東京勤務の求人数が圧倒的に多く、転職希望者は東京勤務なら転職先を選べる自由度が相対的に高いことがわかります。

営業職の場合、各地とも比較的求人数が多いのですが、ITエンジニアでは地方は厳しいと言わざるを得ません。

日本の場合、本社機能はほぼ東京に集中しているため、例えば本社にて業務を行う人事などの専門職になると、東京勤務をせざるを得ない状況です。
愛知や大阪といった大都市でも東京の3割程度に求人数は留まっています。

地方には仕事がないという“思い込み”

前項の表で、東京の求人数の圧倒的な多さに、「やはり地方は不利なのか」と残念に思った方も多いと思います。
確かに東京では選択肢が多いのは事実。

しかし必ずしも地方が全てにおいて不利とも言えないのです。
今度は労働人口と求人数の関係を見ていきましょう。

それぞれのエリアではどれくらいの人達が働いているのでしょうか。
総務省統計局が出している「都道府県別労働力人口」から数字を抜粋します。

東京都  761万4千人
北海道  257万9千人
秋田県   47万7千人
長野県  109万8千人
静岡県  198万人
愛知県  403万6千人
大阪府  444万7千人
高知県   36万2千人
福岡県  251万1千人
鹿児島県  80万1千人

このように、労働力人口でも東京に人が集中している様子が伺えます。

転職活動を先程のように「ライバルとの競争」という視点で分析します。労働者は皆ライバルと仮定し、上の転職案件数を労働力人口で比率換算してみました。
労働力人口1,000人あたりの求人案件数をグラフにすると下のようになります。

労働力人口1,000人あたりの求人案件数(3サイト合計)
労働力人口1000人あたりの求人数

ちょっと驚きの結果です。
求人数では圧倒的だった東京と地方の差が、ここではほとんどなくなっていますね。

東京は求人数は多いのですが、ライバルも多く、転職先を確保する”機会”という意味では、地方とさほど変わらないとも言えるのではないでしょうか。

地方の求人数自体は相対的に少ないのは事実。
しかし地方は転職希望者も少ないので、転職先を確保する機会は十分にあるのです。

東京と地方 それぞれの魅力

次に東京で転職することと地方で転職することの違いをビジネス環境面から見てみましょう。
双方にそれぞれの魅力をお伝えしたいと思います。

一般的な東京のビジネス環境のイメージとしては、

  • 様々な種類の仕事がある
  • ビジネスチャンスがあちこちに転がっている
  • 新たなアイデアやビジネスが次々と生み出されている
  • エリートビジネスマンや起業家の数も多い
  • 全国的に見ても給与レベルが高い

といったところが挙げられます。

一方、地方でも地方中核都市であれば、ある程度ビジネス環境に恵まれているといえますが、やはり東京にはかないません。
当然、給与などの待遇も大きく異なります。

待遇は東京の圧勝。「勝ち組」が多く生まれる土壌

各エリアの給与を比較してみましょう。
厚生労働省が実施している勤労統計調査から各地の月間給与額平均(全産業)を表にしてみました。

エリア別月間給与額比較

エリア別月間給与額比較
<下欄は東京を100とした時の数値>

このように、東京と地方ではかなりの給与格差があります。

地方の多くは東京の6割~8割程度の給与であり、これを生涯賃金で見ると、数千万の差が生じてもおかしくはありません。

これだけの賃金差があり、ビジネス環境的にも恵まれているとなると、東京での転職に魅力を感じる人が多いのもうなずけます。

いわゆる「勝ち組」のほとんどが東京でのビジネスで生まれているのもさもありなんと言えましょう。

生活コストの安さは地方に軍配が上がる

一方で、生活コストは地方の勝利です。

ここに興味深いデータがあります。
不動産調査会社東京カンテイによる「新築マンション価格年収倍率」データです。

新築マンション価格年収倍率とマンション平均価格

新築マンション年収倍率と平均価格
<価格の単位は万円>

上段は新築マンションがそれぞれのエリアの平均年収の何倍で買えるかを表したものです。

東京だと年収の10倍払っても買えないという状況になっています。
高知県は年収の5倍ですから、比べてみるといかに東京生活の住居費負担が大きいかがよくわかります。

下段に新築マンション(70㎡)の平均価格を載せています。
これも東京が圧倒的に高額です。
給与も高いが生活コストも高い、これが東京でのビジネス環境と言えますね。

地方在住者が仕事を求めて東京へ転職する場合には、生活コストをよくよく考慮する必要があります。
仮に東京へ転職しても、給与が数万円増える程度では、生活コストの上昇で相殺されてしまうことになるからです。

逆に、東京在住者が地方へ転職する場合は、年収がダウンしても今より裕福な生活ができるケースもあると言えます。

地方で時間という付加価値を得る

地方で時間という付加価値を得る
転職活動で地方を選ぶ場合、給与面以外にも価値を見出すと満足度が高くなります。

先程挙げた生活費が抑えられることはもちろん、時間という付加価値を多く得て、ワークライフバランスが向上する点が、地方の優れた点です。

東京勤務の場合、住居費負担の大きさから、近県のベッドタウンに住み、日に往復で2時間余りの通勤時間を費やす人は非常に多いです。
住居費を抑える代償として通勤にかかる時間的なコストが大きくなってしまいます。

地方では、東京と比べて通勤時間だけで1日平均1時間程度短くなります。
つまり1日1時間の”付加価値”が地方にはあると言えます。

東京では身動き取れない通勤電車で立っている時間を、地方では好きな場所で好きなことに使える時間に変えられるということです。

オフの時間もより豊かに

スキーやゴルフ、サーフィンといったアウトドア系の趣味を持っている方の場合、趣味にかけられる時間にも雲泥の差が生じます。

首都圏に住んでいる場合は、スキー場やゴルフ場に行くために早朝に起床し数時間高速道路を走って現地入りし深夜に帰宅するということもありますが、地方の場合は移動時間も短いため現地で楽しむ時間をより長く確保できます。

このように、地方でのメリットは意外と多くあるのです。

それぞれの特徴を知り、価値観に合った転職を

東京で転職するか、地方で転職するかは、それぞれの価値観や事情によって左右されます。
 
安易に「地方には仕事がない」と思いこむのではなく、それぞれを比較して自分に合った転職先を見つけることが重要なのです。

ビジネスエリートを目指し、あらゆるビジネスチャンスをものにできる環境に身を置きたいなら多少コストが高くても東京で転職することがベストです。

ビジネスの荒波にもまれ自分を鍛えることも可能なはずです。

一方、ワークライフバランスを重視するなら地方の方が実現可能性が高いと言えます。
給与は相対的に低くなりますが生活コストも安く、何よりも時間に余裕が生じます。

どちらの働き方が自分に合っているのか、将来的なライフプランも含め、よく見極めて転職活動を進められると良いね。

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